2022.11.21
八幡こども園乳児園庭整備計画について
みどりの森八幡こども園の保護者のみなさま、地域の関係者のみなさまへ
令和4年11月下旬より、タイトルの通り乳児園庭の整備を開始します。工事期間中は重機の音や、園周辺を車両が出入りする関係で、みなさまにご不便とご心配をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
なお、乳児園庭整備にあたり、経緯やみどりの森八幡こども園の乳幼児保育・教育に対する思い、工事の概要をまとめましたので、是非ご一読いただけますとありがたいです。
前文
園の名前にあるように、自然があふれるみどり豊かな園庭は、子どもたちの感性を育み、知的好奇心を刺激するおもちゃ(≒自然物)がたくさんあります。例外がなくすべての子どもたちにとって自然の中で育つという経験は人間としての土台作りに非常に有意義であることは間違いがありません。しかし一方で、自然というのは人間が意図的に作ったものではないため、特に小さな子どもたちにとっては危険となることがあります。園庭の地面から木の根が出ていたり、拾っても地面からどんどん石が出てくる土壌や、良くも悪くも広大な園庭、その園庭には大きな子ども(3歳以上)向けの遊具が多く、大きな子どもたちにとっては、障害の中での学びや、それが遊びにつながり工夫することや考えることを経験として習得していきますが、ハイハイができるようになった赤ちゃんや、歩けるようになったばかりの小さな子どもにとっては安心して安全に遊べる園庭の環境とは言い難いところがあるのも事実です。
現状の園庭で小さな子どもたちを安全に自由に遊ばせようとすると、どうしても保育者の目と手が多く必要になり、保育者が子どもへ「危ないから〇〇してはいけない」と子どもたちに制限をかけて遊ばなければいけないのが現状です。大きなどろんこ遊びの中であれば安全に思いっきり遊ぶことができますが、走り回って体を動かす粗大運動というよりは、座って指先や手を使った微細運動が中心になります。園で行われている小さな子どもたち向けの粗大運動は、ピアノを使ったリズム遊びやお散歩がありますが、乳児期の子どもたちにはもっともっと体を動かす時間を作ってあげたいとずっと考えていました。
日本の乳児保育環境の現状
日本における乳児保育の環境は、フローリング床にクッションマットを敷いたり、屋外活動は砂場遊びが中心だったりと、特に安全面に配慮した活動環境・活動内容となっています。
乳児保育において安全が第一であることはもちろんですが、それ故に小さな子どもが大人の制限を気にせず自由に歩き回る・走り回って遊べるという保育環境を備えている保育園や認定こども園は非常に少ないです。
実際に乳児園庭の整備検討の中で、小さな子ども(主に0~2歳児)向けの園庭遊具を調べたところ、非常にラインナップが少なく選定に苦慮しました。これは需要が少ないことや、安全への配慮の難しさ、乳児の粗大運動があまり重要視されていないことの表れでないかと思います。
しかし、当園では小さな子どもたちの成長にとって探索欲求を満たすこと、自分の意志で自由に動き回ることができる環境は、安全と同じくらい大切なことだと考えています。
乳児の発達特性
保育所保育指針―第2章1の(1)のアでは、『乳児期の発達については、視覚、聴覚などの感覚や、座る、はう、歩くなどの運動機能が著しく発達し、特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成されるといった特徴がある。』とあります。
0~2歳の子どもたちは生まれたときから体重が何倍にも増え、脳はもちろん身体的にも大きく成長する時期です。また、探索欲求・知的好奇心から自分の体で動き回り、ものを手にとり、触った感触を楽しんだり口に入れてみたりします。
小さな子どもたちにとって安全を確保したうえで自由に動き回れる環境であること、保育者が子どもたちの行動に対して禁止せずに済み、安心した環境で応答的なかかわりができることは、子どもたちの成長にとって非常に良い影響があると言えます。
乳児園庭のコンセプト(対象年齢:ハイハイができるようになった0歳児~おおむね2歳児まで)
- ハイハイの赤ちゃんや、よちよち歩きの乳児が安全で自由に遊べる園庭
- 身体の発達を促すため年齢の発達特性に合った環境を備えた園庭
- 保育室からシームレスかつ安全にアクセスできる園庭
- 地域の赤ちゃんとその保護者が気軽に遊びに来られる園庭
- 地域貢献や保護者支援・育児相談などの子育て支援を行える園庭
- 岐阜県最大の乳児園庭
地域貢献・子育て支援の展望
・平日毎日10時~11時まで無料で園庭を開放したいと考えています。申し込みや予約・登録等は不要、行きたいときに気軽に遊べる乳児専用公園のような感覚で来園できる園庭にしたい。
・保護者が気軽に育児相談できるよう、園庭開放の時間に保育者が1名常駐できるようにすることを考えています。
・カフェテリアのように保護者が飲食できるスペースを設けることも検討しています。
乳児園庭の概要
・全体の日程
11月24日~1月上旬:樹木剪定・伐採、残土搬出、基礎工事
1月中旬~1月下旬:ウッドデッキ設置
2月上旬~2月中旬:人工芝敷設
2月中旬~2月下旬:遊具搬入
3月:プレオープン・基本的に在園児親子のみ利用
4月:本オープン・園庭開放、未就園親子も利用開始
・場所(園舎東側、ハリヨ池の道路向かい)
※道路の通行止め予定はありません。付近を工事車両が出入りすることがあります。
・乳児園庭の特徴
①バリアフリーのスロープ付き出入口
ベビーカーや避難車に子どもが乗ったまま乳児園庭へ出入りできます。鍵付きの戸でセキュリティも万全です。
②どんぐりの木
秋になると木からどんぐりが落ちてきます。ごっこ遊びや、転がしたり集めたり、遊び方は無限大です。
③どんぐりハウス(仮称)
木製のちいさなお家です。八幡こども園乳児園庭のシンボル遊具です。
④トイボックス
木製の複合遊具です。滑り台をはじめ、くるくるパネル、じゃらじゃらパネル、スライドカスタネット、ウインドチャイム、覗き穴、伝声管など、まるでおもちゃ箱のようにたくさん遊びが詰まった遊具です。
⑤YURAGI
身体が不自由な子どもも健常な子どもも一緒に遊べる次世代のインクルーシブ遊具として開発されたトランポリン遊具です。跳ねたり、歩いたり、叩いたりすることで生まれる揺れを楽しむことをコンセプトにしています。
⑥ウッドデッキ
広大なウッドデッキでは、天気の良い日にお外で給食を食べたり、遊び疲れた子どもが休んだり、暖かい日差しの下で日向ぼっこをしたりすることができます。また、ウッドデッキは乳児保育室と繋がっているので、ガラス戸を開けたらそのまま乳児園庭へ遊びに行くことができます。
⑦巨大なくすの木のタープ
乳児園庭南にある巨大な木は、夏場木陰になり涼しい場所で快適に遊べることを想定しています。木の下に乳児用プールを設置して、猛暑日でも子どもたちが安心して水遊びができるようになっています。木陰とそれ以外の場所では温度が10度以上違います。
⑧人工芝築山
人工芝の築山の上を駆け上がったり、よじ登ったり、ゴロゴロと転がり下りたり、クッション性のある安全なお山の上で子どもたちが全身を使って遊びます。
⑨広大な人工芝園庭
地面はクッション材入りの人工芝です。クッション材で弾性のある地面なので、転んだり落ちたりしても怪我のリスクを低減することができます。また、面積は200㎡以上あり、意図的にフリースペースを多くとることにより日替わりで、室内遊び用の障害物を使ってサーキット遊びをしたり、柔らか素材の積み木で遊んだり、屋内用の砂を使って砂場遊びができるようにすることを考えています。
どんぐりの木に向かって意図的に傾斜が作ってあり、子どもたちが体を動かしたときにバランス感覚や運動機能をより養えるようにすることを狙っています。
⑩目隠しフェンスと防犯カメラ
乳児園庭は目隠しフェンスで囲まれていて、下の道路や園庭の外に間違って出られないようになっています。また、地面とフェンスの隙間は2cmと物が転がり落ちてしまうことがないように配慮もされています。また、外から覗かれたり登って入ることがないように、フェンスの高さを160cmとしています。
防犯カメラが設置してあるので、外部からの不審者やいたずらの抑制はもとより、子ども同士のトラブルや怪我の分析と再発防止、ヒヤリハット等に役立てます。
※カフェテリアスペースや、遊具の追加等、オープン後に随時アップデートしていきます!
イメージパース